2011年10月31日月曜日

クロノス選書 "株式会社" のまとめ

本の目次にそって、まとめを付記した。

1 ユートピア株式会社 

1.1 会社の威力

富を生んだ。社会を変えた。個人を変えた。
社会の最重要基本単位。
人間と同じ法律上の権利(法人格?)がありながら、不老不死。

1.2 会社の変遷

1.2.1 19世紀のイギリスの変革

  1. 法人
  2. 権利の債券化
  3. 出資以外に責任を追わない(有限責任)
有限責任が機能するかの議論。
エージェンシー問題の議論
この後、20席のアメリカで巨大企業が生まれていく

1.3 本書の狙い

1.3.1 論点は3つ
  1. 昔の会社はドラマティックだったので、書く。
  2. 倫理化した現代の会社ということ
  3. この会社制度を生んだ欧米の競争優位を説く。
1.3.2 会社がもたらすもの
資本の集約
資本の開放(政府や同族集団の中から外へ)
国家、教会、労働組合は太刀打ちできない。

1.3.3 会社の存在理由 一つ一つの会社自体は強くない
経済活動における取引コストの最小化が存在意義。
取引コストの削減と階層コスト(本社が情報を見落とす)の差で考える。

2 貿易商人と独占商人の時代(bc3000-ac1500)

2.1 古代の商業活動
メソポタミアやアッシリアで契約による経済活動
フェニキア人とアテナイ人が海上活動に投資形態の契約
ローマの徴税業務。個人からソエキタスに。その後ギルドに。
会社法のいくつかはローマ時代に。集団をアイデンティティとする。

2.2 東方世界の繁栄

アラブをもともと商業が盛ん。だが、相続が細分化され資本が分散
中国は技術力に秀でる。だが、強い国家が貿易を制限 1400年代。明の永楽帝の死後。

2.3 中世の商業活動

2.3.1 イタリアが生んだ貿易会社。
複式簿記の採用。海外事務所の不正防止のため
為替の発達。銀行の発達。メディチ家。その後、不良債権を抱え没落。
帳簿、弁護士、パートナーシップ契約、現代と同じ管理業務に忙しい。

2.4 近代的会社との相違はあるか

特に強調してかかれてない。
法人、社団の存在。死なない為に所有が国家に還されることがない。agaist封土制
ギルドの伸長。国家からの貿易独占権


3 帝国主義者と投機家の時代(1500-1750)


3.1 大航海時代が生んだ特許会社

特許会社。到達した地名がつくものがたくさん。
政府と商人が共同で設立。特許状。
売買可能な株式。有限責任 => 株式市場
オランダ東インド会社

3.2 [栄光の会社]と帝国主義

イギリス東インド会社
  • 二層構造の採用。株主総会で取締役を選任、委任。
  • 現地の管理はファクターと呼ばれる人間に。
  • 徐々に衰退。1874年消滅。

3.3 バブルの痛手

ジョンローのバブル。
政府の負債を株式と交換。貿易独占権の付与。

3.4 会社の功罪

3.4.1 問題
会社は罰することができない。
アダムスミスの批判。特許会社の独占。エージェンシー問題。

3.4.2 良い点
スペインのように国家が帝国主義を行うより、会社に任せるほうが、
結果として、帝国主義の実践として良い。
東インド会社での、ファクターによる取引は効率的だった。
カンパニーマンの育成。その手の人間にやすらぎの場。

4 長い苦痛の末の誕生(1750-1862)

4.1 不遇の時代

1700年代、1800年代、株式会社は不人気。
イギリスでは株式会社で事業を行うには特許状が必要だった。
パートナーシップが人気。奴隷貿易も特許状を得るものから、パートナーシップへ。
所有と経営の分離はうまく行かないと考えられていた。

4.2 アメリカの選んだ道

特許状を与えて、インフラ整備。ただ、その特許が変更されてしまう。
ウォール街も未成熟。国債取引が中心。

4.3 会社の自由化

アメリカの各州で自由化が始まる。
1800年代、フランスでも、ジョンローの記憶薄れる。
巨大な資本を必要とする鉄道整備がきっかけ。優先株による資本整備。鉄道専門誌=>相場情報

4.4 近代的会社の成立

1856年、イギリスの株式会社法=> 7人が定款に署名。事業所の登記。limited(有限責任)を入れる。
後年、ドラッガーは、政府から独立した自律的な組織が、社会の中に生まれた。

5 アメリカにおける大企業の台頭(1862-1913)

5.1 個人事業から大企業へ

シアーズローバックの誕生。1916年、従業員のための年金基金。=>大半は自社株投資。
1900年台、アメリカの大企業が躍進。

5.2 鉄道会社の大企業化

輸送システムと通信システムの発達。
膨大な管理業務の発生。近代的企業。
1800年代後半からの、アメリカの鉄道株投資。ただ、持ち合いが多く。銀行借入が多かった。
合併により巨大化。物流の効率化進む。

5.3 小売業と製造業の大企業化

鉄道網が巨大小売業を作る。1800年代後半。
遅れて、製造業も発展。カーネギー、フォードの流れ作業。

5.4 止まらない巨大化

統合型巨大企業は、購買から宣伝まで規模の利益を得る。
トラストを利用(配当を受け取り、議決権を放棄)して、信託に権利を集中。
信託契約が無効になると、持ち株会社を作る。
USスチールもパートナーシップだったが、それが株式公開へ。

5.5 危機感と反発

労働組合も発展。
1913年にアメリカでも中央銀行(FRB),1914年にクレイトン反トラスト法。
労働者から経営者の夢。

5.6 それでも支持された理由

政治への進出。
年金基金。福利厚生。
慈善事業、美術館、博物館。
会社による生産性の向上、そして豊かさの到来。

6 イギリス ドイツ 日本における大企業の台頭(1850-1950)

ドイツと日本では、株式会社は社会に使える存在。

6.1 大企業化に後れをとったイギリス

同族企業と個人的経営の執着。
会社は、文化的な生活の一目的。上品ぶって、金儲けに嫌悪。
田園都市構想

6.2 独自の企業モデルを発展させたドイツ

独占や半競争的なものに寛容。
企業は国益のために動くべき。
監査役会の権限。構成員は銀行から政治家、労働組合まで。
訓練好き。教育好き。軍隊は下士官に権限。工場長は経営管理者にアドバイス。尊敬される。

6.3 政府と財閥が牽引した日本

明治以降の発展に政府の役割の大きさ。
財閥による集中と能力主義。

7 経営者資本主義の勝利(1913-1975)

7.1 事業部組織と経営管理主義

孤立した共同体社会だったアメリカを国家共同体に。
新興資本家から専門経営者の時代。
管理された分権化。スローン。事業部制。

7.2 経営理論家とカンパニーマン

テイラー、アーサー・D・リトル、マッキンゼー
カンパニーマンをそうたらしめてるのは、学校の成績。
家族主義。

7.3 会社の役割

市場の不完全性、取引コストを調整する。
経営と所有の分離。コーポレートガバナンス。
ドラッガー。知識労働者という呼称。

7.4 経営者資本主義と国家主導型資本主義

第二次世界大戦以後の国有化の流れ。 
これは、スローンの考え方といっしょ。上手に管理する。イタリア、フランスなど。

7.5 着実な発展

目標による管理。
カンパニーマンによる安定の時代。

8 会社のパラドックス(1975-2002)

民間資本の勝利。
大企業では、事業部制・終身雇用が崩壊。

8.1 株式会社の拡大

サーチャーとキース・ジョセフの企業化。
ソ連、東欧、中国の変革

8.2 生き残りをかけた改革

大企業の没落。リストラの嵐。

8.3 日本型モデルの躍進

アメリカの会社を解体したもの。日本企業、ウォール街、シリコンバレー。
スローン主義=>品質管理は経営管理の仕事。日本式の衝撃。

8.4 ウォール街という戦場

機関投資家の影響力。
企業買収家の勃興。ジャンク債の登場。

8.5 IT産業がもたらした変革

製品による変革。PC,ネットワーク。
会社のスタイル。徹底した能力主義。

8.6 不確実性の時代

安定が失われ、経営理論が流行る。
カンパニーマンがヒーローから降りる。
企業に求められる社会的責任。

8.7 企業倫理と規制

バブル崩壊とエンロン事件。

9 影響力の代理人ー多国籍企業(1850-2002)

9.1 多国籍企業の歴史

中世のイタリアの銀行家が始まり。法王の代理人で教会の税金徴収。
次に東インド会社のような特許状企業
鉄道事業が本格的な世界展開。イギリスからヨーロッパへ。また、資源採掘型も。
その後、一般消費財。
関税の高まりに対抗するため、輸出から現地化の必要性。

9.2 各国の多国籍企業

イギリス。海外展開は早いが、もともとの素人的経営が海外でも足かせに。
ドイツ。ハイテク分野で成功。

9.3 多国籍企業と帝国主義

ベルギーやフランスの今後での収奪。
制度の創設やインフラの整備も。

9.4 アメリカの多国籍企業

海外の需要に応じるうちに進出。関税化や貿易障壁と作られると、現地化。
ジェット機で、大西洋を7時間。
1971年以降のドル切り下げで、海外資産が割高に。省エネ機器で出遅れる。

9.5 多国籍企業とグローバル化

貿易、投資が伸びる。
中小企業も国際化。
大企業内部では、世界単一市場対応。社内部門を統一。

9.6 2つの顔

多国籍企業は闇の支配者か?
搾取はできなくなっている。貢献(学校や病院の建設)
最大のポイントは、生産性の改善を通じた性格水準の向上。

10 会社の将来

10.1 進化する会社

会社の進化。
政府の道具=>小さな共和国=>カンパニーマンによる安定・官僚化=>企業家
2つのポイント
  • 取引コストと階層コスト、どちらが大きいか?
  • 政治的論理。社会に求められるものか?営業許可が与えられているか?

10.2 3つの将来像

  1. 大企業の支配が進む?進んでない。(俺: 最近はすすんできたかも???)
  2. 小規模化。技術の進歩で取引コストが低下。階層コストが問題になる?=> 力を持ち続ける大企業も多い。
  3. ネットワーク型。ネットワーク自体には、法人格も監査制度もない。

10.3 社会との関係性

政府から特許状をもらう必要はなくなった。
雇用を生む=> 政府や自治体が誘致する。
社会からフランチャイズされないといけない。腐敗から見を守る必要もある。
短期的利益以上の目的に向かっている。(俺: 生存本能?)慈善活動。
豊かになる道具。
社会が会社に働きかけるものに注目。企業責任強化運動。

11 訳者解説

このような本がまれな理由
  • 分野が多岐にわたるため、人材がいない
  • 企業は自由に設計するものであり、歴史的経緯に焦点があたりにくい 
訳者による会社の歴史的発展のまとめ
  1. 古代の共同出資
  2. 法人格の成立(中世の欧州、日本でも)
  3. 有限責任 => 大規模資本 東インド会社
  4. 特許主義から準則主義への移行

11.1 会社の規模拡大による国際化と国民経済との摩擦

その中で、国別に会社の発展の独自性を見る。
訳者による国別の会社モデルの優位性解説

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